2010年1月7日木曜日

ネット登録誘導 経費削減狙う カード各社 会員サイト強化

 クレジットカード各社がインターネットの利用を会員に促す勧誘策に力を入れている。明細書の郵送を取りやめ、専用サイトでの照会への変更で経費削減につなげるほか、運営する通販サイトの利用も期待できるからだ。三菱UFJニコスはプレゼントキャンペーン、三井住友カードは“訳あり商品”で誘導を図るなど工夫を凝らしている。

 カード会社のネットサービスは、安全性の面などからカード番号とは別のIDやパスワードの登録を必要とすることが多く、手間がかかるため利用者は思ったほど増えていない。三菱UFJニコスのID登録者は約2500万人のカード会員の15%程度にとどまっているという。

 同社は「ネット会員を増やすことが重要」と判断し、ネット会員登録を条件とするキャンペーンを開始。カードの利用が300円以上あれば1000円分のギフトカードが抽選で当たるもので、来年1月15日までの期間中に利用明細の入手方法をネットでの照会に変更すると、当選確率が5倍になる特典もつけた。

 カード会員向けサイトの「POINT名人.com」を経由した買い物へも会員を誘導する。楽天市場など提携先の通販サイトで会員が買い物をすると、手数料や成功報酬が三菱UFJニコスに入るからだ。

 JCBも、利用明細をネット照会に切り替えれば抽選で10万円が当たるキャンペーンを今月16日から実施中。入会時にネットでIDを登録すれば年会費が無料になるカードも導入した。

 三井住友カードは、会員向けサイトで足折れタラバガニなどの「訳あり商品」や産直商品を集めたコーナーを15日に立ち上げ、アウトレットのブランド品を扱うサイトも開設。同社のサイトはカード番号の入力でも利用できるが、あの手この手で利用者の拡大に努めている。

 数百万人の会員を抱える場合、明細書やダイレクトメールなどの印刷代や郵送費は年間数十億円規模に上る。ネット照会への切り替えによる経費節減効果は大きく、「省資源、環境保護にもつながる」(JCB)。

 カード業界は消費の低迷で加盟店手数料が減り、規制強化でキャッシングの収益も落ち込んでいる。一方で、ネット通販は商品価格の安さや便利さなどから急成長し、野村総合研究所によると市場規模は2009年度の約6兆6000億円から14年度には12兆円近くに拡大する見込みだ。

 このため、ネット決済でのカード利用の多寡が各社の収益を左右しかねない状況になりつつあり、会員数という「量」より、ネット利用の多さといった「質」を重視する戦略が欠かせなくなっている。
 
カードローン:カード会員がいろんな商品を買うときに、月々払いのローンとして組むもので、その中に「お金」があり、おおむね返済額が2回以上にわたり、月々定額で返済していくパターンのこと。)