●専業主婦が殺到するか
郵便局に専業主婦が殺到する? 預金するためではなく、金を借りに行くためだ。近い将来、そんな現象が起こるかもしれない。
カード会社の幹部はこう言う。
「クレジットカード会社や消費者金融は、改正貸金業法により6月から個人への融資が制限されます。融資は世帯年収の3分の1までが基本ですが、審査手続きが面倒になり、収入のない専業主婦へは貸しにくくなります。その受け皿に、ゆうちょ銀行がなるといわれているのです」
すでにプロミスやアイフルなどの消費者金融大手は、収入のない人への新規融資を停止すると表明している。カード大手のJCB、三菱UFJニコスも同様だ。
「だんなに内緒で食費を補填していたり、服を買ったりしている主婦はパニックです。これまでのように借金できなくなるのだから、闇金や主婦売春に走る女性が急増するでしょう。自殺者が増えるともいわれています」(カード会社関係者)
大混乱は必至だが、ここに目を付けているのが日本郵政だ。消費者金融への進出が取り沙汰されている。
「亀井大臣も『地域の人が一時的に借りられる少額融資を検討したい』と言っています。中小零細企業だけでなく、個人客もターゲットでしょう。郵便局は全国にあるし、主婦の使い勝手はいいはず。郵貯の限度額は2000万円に倍増するし、集めた資金の活用先として消費者金融は十分に考えられます」(前出のカード会社幹部)
うまくいくのかどうか。経済ジャーナリストの重道武司氏は言う。
「ゆうちょ銀には貸金業のノウハウがありません。さらにクレジットの与信管理やコンピューターのシステム構築など、クリアしなければならない問題は多い」
現在、ゆうちょ銀は一部店舗でスルガ銀行の個人向けカードローンを扱っている。融資額は最高500万円(初回は300万円)。ゆうちょ銀は、あくまで代理業者だが、自ら乗り出すのは時間の問題だ。経済評論家の山崎元氏が言う。
「日本郵政は利益のタネを探していますから消費者金融への進出はあり得ます。スタート当初は貸し倒れもなく、金利分がまるごと収益につながりますから利益は増加します。しかし、その後は大変です。難しい取り立て業務をどこが担うのか」
専業主婦を味方につければ大丈夫だとタカをくくっているのだとしたら大間違いだ。